−R5− 世の中を歩き回るブログ

頭を使って歩こう。朝まで歩こう。5年後の自分に向けた備忘録。

広告賞に落選した。

なんだろう、昔に比べてブログを書くことがすごく少なくなった。

前は週に1回くらいはいろんなことを考えて、

長ったらしい文章を書いていたのに。

 

昔に比べて考えることが少なくなったんだろうか。

そんなことはないと思う。

 

じゃあ、前よりも考えを表に出さなくなったんだろうか。

それはあるかもしれない。

 

今日は、ある出来事が起きた。

 

ある広告賞に出品していたんだけど、

見事に選ばれずに、落選の結果をもらった。

(正確には連絡すらもらえず、結果公表で選ばれていないことを知った)

 

実はこの広告賞に応募するときに、

あんまり期待していなかった。

 

いや、期待していないというと嘘になる。

期待している自分がいるのが恥ずかしくて、

なんともない顔をして応募していた。

 

でも、正直いくつかの広告は賞を取るんじゃないかと思っていたし、

すくなくともこの広告は何かしらの賞を取るだろうと期待していたモノもあった。

 

だけど、なんとなくそうやって期待するのはむずむずして、

いつの間にか目の前の仕事に忙殺されていて、

今日になっていた。

 

そして、落選を知ったとき、

僕はものすごく悔しくなった。

 

自分でも驚くくらい落ち込んだし、

悔しさがこみ上げてきて、思わず会社のトイレにこもってしまった。

涙こそ出なかったけど、なんとなく仕事に手がつかないし、

あーもう今日は帰りたいな、とさえ思っていた。

 

正直、とまどった。

そもそも、こんなに期待していたんだという自分への驚き。

そして、こんなに悔しいんだと思ったことに驚き、

なによりもここまで悔しいと思えたのは何年ぶりなんだろうと、

前のことさえも思い出せないくらい悔しさをかみしめる仕事をしていなかったことに、

すごく、驚いた。

 

たぶん、今日と同じくらい悔しい思いをしたのは、

コピーライターを志していたのに、

実力がなくて営業として入社した1年目の終わりだ。

 

その日僕は、上司と一緒にアポに行った。

いつものようにくそみたいな営業にもなっていないオナニーをして、

営業ってつまんねーなって想いながら会社までの道を歩いていた。

 

そのとき、上司がファミレスに行こうと言って、

近くのデニーズに入った。

 

何の話を最初にしていたか覚えていないんだけど、

これだけは何年たった今でも鮮明に覚えている。

 

「おまえ、マジでやばい状況だよ。このままだと、会社に残れるかも怪しい。

 おまえのタイプ的に、うちみたいな無形商材よりも、有形商材の方が向いているんじゃないか。転職、考えないか」

 

この瞬間、頭が真っ白になった。

ああ、これは退職勧告だ。

遠回しにおまえはやめろといわれている。

 

すごく傲慢な言い方をすると、

入社するまでは非常に自信があったし、営業なんかしたことないけど3ヶ月くらいあればすぐ売れるようになるんだろうなって思っていた。

現に最初の1ヶ月は同期の中で誰よりもアポを取っていたし、

このまま営業をちゃちゃっと終わらせて、早くクリエイティブに異動使用くらいの気持ちだった。

 

つまり、腰掛けの気持ちで営業をしていた。

 

でも、そんなスタンスじゃ芽は出ないし、

もともと営業なんかしたくないのにやらされている気持ちの方が強くて、

日に日に、腐っていった。

 

もちろん僕自身に腐っていったという自覚なんかあるわけがない。

そんな物持ち合わせていたら、とっくに危機感を持ってもっと真剣に営業に取り組んでいたと思う。

やばい状況になっていることに気づかず、

周りから白い目で見られていることなん全く知らず、

僕は斜に構え続けていたし、営業ってくそだなって毎日思っていた。

 

売れないし、つまんねーし、なんでテレアポさせられてるんだよ。

俺はコピーライターの実力があるんだから、さっさと異動させろよ、

見る目ねえ会社だなって。

 

で、さっきの上司の言葉だ。

 

入社して1年がたつ頃、真剣にやめようか考えた。

だって僕の実力に気づかない会社にいても意味がないし、

それをすくい上げようとする気がないところでは、僕の実力がつかないまま無駄な人生を送らされてしまう、と。

本気で、真剣にそう考えていた。

 

でも、やめなかった。

だって、そんなこと言われて素直にやめたら、

すごくかっこわるいんだもん。

 

これはまた別の機会に話そうと思うんだけど、

僕の原動力はかっこいいかどうか、だ。

 

だから、そんなこと言われて逃げ出すかっこわるいやつになりたくなかったし、

クソむかついたからやめなかった。

でも、簡単には人間は変わらない。

だから1年目が終わるまで、結局クソみたいな人間だった。

 

それでも、この衝撃的な出来事は少なからず僕に影響を与えた。

2年目になってからはクソなりにがんばった。

1年サボってた人間がいきなり売れる、みたいな映画のような話はないけど、

それでも少しずつ売り上げがたつようになってきた。

 

会社で一番クセがあるとも言われてる新しい上司のもとで、

営業と顧客との向き合い方も学ばせてもらった。

 

その結果、どうなったかというと、

2年目の最後の最後までまあまあがんばったけど、

自分の課せられたノルマ(予算)は達成できなかった。

 

できなかったけど、3年目からコピーライターになった。

 

どこを見られていたかわからないけど、何とか異動することが出来たのだ。

 

そしていま、僕はコピーライターとして、

ある程度経験を積んで、どの案件もメイン担当として持つことが出来る。

クリエイティブディレクションまで含めて担当することも多く、

まあ、いわゆる「こなせる」ようになってきた。

 

どんな流れで案件が進んでいくかわかるし、どんな仕事が必要かもだいたい把握している。

後輩が相談に来れば、だいたいのことには応えてあげられる。

 

でも、それで止まっていた。

仕事としてコピーライターの案件を持つようになり、

広告の仕事にクリエイティブ側から携われるようになって、

なんかぬるま湯につかったように毎日を過ごしていたのかもしれない。

 

だから、今日の落選でものすごく悔しくなって、

クソみたいに落ち込んだなんて久しぶりすぎて驚いた。

こんなになるまで仕事に熱を持っていたことさえ、

はるか昔のことだったから。

 

それでも、今日悔しさを知ったのは、

大きな発見だった。

 

だって、悔しいんだもん。

悔しいってことは、これで満足していないってことでしょ。

もっと上を目指してるってことだ。

そんなん忘れていたけど。

 

最近の自分を振り返るとある程度の高さまできて、

そこの踊り場にとどまることで満足してたけど、

それじゃもう満足できないって知った。

 

だから、また走り出そうと思う。

 僕は、コピーライターなんだから。